今回は少々専門的な話から入りますが、鬱病の療法として「集団療法(集団認知行動療法)」というものがあります。
簡単に言うと、同じような悩みを抱えた人たちが集まって話し合う場を与えられます。その話し合いの中から、自分の考え方のクセを知って他人からの刺激によってそれを修正していくものなのです。
参加者全員が鬱病の患者さんですし、心理士や医師などの専門家も同席します。
現在鬱病治療において注目されている療法なのです。
何より、辛いのは自分だけではないんだという安心感を得られます。
私って助言がもらいたくて他人を頼っても「でもさ~」で全て切り替えしてしまっているな~とか
あの人って悲観的な割には結局自分の意見を押し通しているよな~。
など、考え方のクセを集団の中から見つけることができるのです。
とはいえ、そういう療法に参加するのはなかなか勇気のいることです。
知らない人とは言え、対面するのですから抵抗ある人もいますよね。
そんな人におすすめしたいのが、自分と同じような悩みを持っている人の相談にのることです。
知恵袋などのQ&Aサイトで同じような悩みを抱えている人の相談にのってみてアドバイスしてみるのです。
その悩みに対して自分以外の人がどういう回答を寄せているかも一緒に見てみるとよいでしょう。
例えば「職場 ストレス 話せない」というキーワードを入れて自分と同じ悩みを抱えている人の質問を見てみるとします。
その質問に対して、他人が「え?それはちょっと違うんじゃないの?」というアドバイスをしていることがあります。
そんな時、自分ならこの悩み(質問)に対してどう回答してほしいのかを客観的に考えることができるのです。
更に余裕があれば、その質問に回答することもできるでしょう。
自分が救ってほしいくらいなのに、他人のことを救えるかと考えるかもしれませんが、意外とできてしまうものです。
ご自身を客観視できるチャンスでもあります。
よく何かの事故・事件に遭われた被害者の方が「被害者の会」を結成しますよね。
それは決して傷のなめ合いではありません。
独りや身内だけでは解決への道が開けなかったことが、同じような悩みを抱えている方と接し、話し合うことで見えてくることもあるのです。
また、鬱病などを経験している人は、自分の病が治った後、鬱の人を救えることがあります。
経験した人にしか分からない苦しみや思いを理解することができますし、その人の気持ちになって話を聞くことができるのです。
鬱になると、自分が一人ぼっちのような気がしてしまうのですが、実は違うのです。
必ずあなたを救ってくれる人(医師・家族もしくはこれから出会う人など)はいますし、あなたも必ず誰かを救えるのです。
では、逆にQ&Aサイトに自分の悩みを投稿するのはどうでしょう?
実はこれは今はあまりお勧めできません。
ネット世界の中にはわざと他人の感情を煽って不愉快な気分にさせることを楽しむ人もいます。(そういう人こそ病んでいると言えるのですが)
運悪く、そんな回答者と出会ってしまうと余計に落ち込んでしまいます。
なので、今は同じような悩みを持つ人の回答者となることに徹しましょう!
そして、もしその人が別の心無い回答に傷ついているようであれば、あなたがそこから救うこともできるかもしれません。