何も意欲が湧かず、身体が思うように動かない…などの症状が現れ病院に行ったところ「自律神経失調症」と言われることがあります。
自律神経失調症とは、交感神経と副交感神経のバランスが保てなくなることを言います。
交感神経というのは緊張した状態にあるときに使われる神経で、副交感神経とはリラックスした状態の時に働く神経のことを言います。
例えば「花粉症でくしゃみが止まらないけど、会社でプレゼンをしなくてはいけない状況の時、なぜかプレゼン中くしゃみが出なかった」というようなことありませんか？
これは「プレゼンしなくては！」という緊張状態によって交感神経が働きくしゃみた止まったと考えられます。
なので、緊張状態に働く神経だからと言って「交感神経＝悪」というのは間違えです。
交感神経と副交感神経のバランスを保って人は生活しているのです。
睡眠中などのリラックスしている状態の時に働く副交感神経は、心身の修復をしてくれます。
副交感神経が働くと血流がよくなり、筋肉がゆるんでリラックスした状態になり、内臓の働きもよくなります。
しかし、そのバランスがストレスによって崩れてしまって、何らかの支障が出てしまった状態を「自律神経失調症」と言います。
とくにうまく副交感神経が働かず、リラックスした状態に身体がならない為、眠れない状況を引き起こし、常に身体が緊張した状態なってしまうのです。
自律神経失調症と鬱病を混同して考えてしまうこともありますが、鬱病は自律神経失調症の延長線上にあると考えてください。
神経のバランスを崩して自律神経失調症になった結果、脳内のセロトニンという物質が分泌されず鬱病を発症してしまうのです。
鬱病が意欲の低下や何をやっても面白くない・常に憂鬱な気持ちという心理的な症状が多く見られる一方、自律神経失調症は身体症状が目立つのも特徴です。
主によくみられる症状として下記のようなものがあります。
頭痛・めまい・耳鳴り・便秘（下痢）・動悸・多汗・しびれ・飲みこめない・喉に違和感・胃痛・吐き気…など。
その症状は書ききれないくらい多様にあります。
しかし、実は自律神経失調症には明確な診断基準がないのです。
ですから、明らかに日常生活に支障をきたすくらいの身体症状があるのに、どこを検査しても「異常がない」という場合「自律神経失調症」という診断が下ることが多いのです。
先ほど、自律神経失調症の延長上に鬱病があると書きましたが、自律神経失調症と診断されたからと言って
「そうか。私はまだ鬱病じゃないんだ！」と安心せず、まずは休養することです。
今あなたを煩わせている、身体症状はあなたの心のサインと言えます。
「休んでほしい」と自分自身から訴えられているのです。無理をせず休んで悪化させないようにしましょう。
また身体に「異常なし」という診断が出たからには、医師の診断を信じ処方された薬を処方通りに服用しましょう。
自分の判断で薬を飲まなかったり量を増減させるのは禁物です。
自律神経を悪化させて鬱病を発症させてしまうと、完治するのに時間がかかることがあります。
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